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2010. 06. 10  
これでクライトンの本は全部終了。最初に読み始めてから10年以上たってるんじゃないかな。
作者の生前に出版された最後の本。先日読んだ「パイレーツ」を中断してこっちを書きあげたそうな。

NEXT―ネクスト〈上〉 (ハヤカワ文庫NV)NEXT―ネクスト〈上〉 (ハヤカワ文庫NV)
(2009/11/10)
マイクル クライトン

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遺伝子テクノロジーをめぐる群像劇。貴重な遺伝子を持っていたが故に無断で利用された男、その細胞を求めて賞金稼ぎに追われる娘と孫、持ち出してしまった実験薬の思わぬ効果と拡散に翻弄される男、人語を話すオウム、人の遺伝子をもつチンパンジー、拝金主義の科学者たち、バイオベンチャー企業、多種多様な弁護士等々…

おもしろいのだけど、ちょっと読みにくいかな。話の流れがなかなか掴みづらい。後半ロードムービー的な展開になるとページを繰る手が止まらなくなる。訳者あとがきによると本の構成自体が遺伝子導入(トランスジェニック)を意識してではないかという。ふむ、言われてみるとそれ以外無い気がする。
アメリカは自由の国だとか言うけれど、住みたくないなぁ、こんな国。ここに出てくる話はかなりの部分が既に起こった事実らしいけれど、心底関わり合いたくは無いことがほとんど。石を投げれば弁護士に当たるっていうけど、あの弁論の組み立て方は理解に苦しむ…誰もかれもが自分の利益追求を振りかざす。そうだな、この本では心情移入ってのはゼロだったかも。

ネアンデルタール人の話がちょうど読んでる時期のニュースと重なって興味深かった。現生人類よりも肉体的(容姿も?)に優れていて先行して広まっていて、後に絶滅した彼らの遺伝子を、出アフリカ後の人類は受け継いでいるという。なんだか西洋のエルフの存在って彼らが元だったのかなとか想像した。ホモ・サピエンスより優れたエルフなんてのがいたら、我々が生き残れるわけがないと聞いたことがあるけど、現に起こってた可能性もありってことだ。何を持って優れているというかで変わる事柄だ。おまけにロードオブザリングを彷彿とさせるのは、現時点ではネアンデルタール人が最後に生き残っていたのがイベリア半島だということ。お話でも、エルフは西の海の向こうへ旅立って去っていったしなぁと。

遺伝子治療は難病治療に役立つだろう。きっとそのうち成功率もあがるだろう。そしてこの本でたびたび出て来たように人の遺伝子を組み込まれた動物が作られるのなら、逆もまたしかり。もしかしたらもうすでに亜人間はいるのかもしれない。もし環境が激変したら、人は生き残るためにきっと遺伝子導入だってすると思う。で、思い出したのがナウシカ。あれってこういう事だったんだなぁと。あんまり意識して無かったけど、あの世界の火の七日間の前の旧世界は、遺伝子工学もめちゃくちゃ進歩した世界だったんだよ。巨神兵、腐海とそこに生きる蟲、瘴気に耐性を持つ人間。ナウシカって30年ほども前の作品なのに…

あ、ノーベル化学賞の下村さんのクラゲの蛍光物質の話もチラっと出て来たな。興味無かったけど、めちゃくちゃ汎用度の高い発見だったみたいだ。読みながら、おぉ、ノーベル賞とった奴だwと。

最近他サイトでアメリカには未だに賞金稼ぎがいることを知ったのだけど、この本にも登場。市民による逮捕を行うバウンティハンター。この人たちが出てくると一気に物語がアクション映画にw 

その他、アメリカの現実とやらが書かれていたりするらしいけど、私にはそれがどの程度なのか判断しようもない。とりあえず醜悪な面が強調されてるんだろうと思っておきたい。酷い話が多いのだもの…


この本はエンタメだ。でも著者はどうしても主張したかったらしく、巻末に4つの提言をしている。
1.遺伝子特許の取得をやめさせよ
2.ヒト組織の利用について、明確なガイドラインを定めよ
3.遺伝子診断のデータ公開を義務づける法案を通過させよ
4.研究の規制をやめよ
これを読むと、これを主張したかったがために、この物語を書いたのだとよくわかる。アメリカでの出版は2006年。それからこれらがどこか変わったのかちょっと知りたくなった。

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プロフィール

雪下千里 (ゆきもとせんり)

Author:雪下千里 (ゆきもとせんり)
暇があれば本を手に取る。無くても手にとって寝不足でフラフラしてたり。
最近はアニメを見るのにハマリ気味。読書より時間を費やしているかも…

+*+*+*+好きな本+*+*+*+
上橋菜穂子「守り人」「獣の奏者」
小野不由美「十二国記」
田郁
荻原規子
伊坂幸太郎
シリーズものとか長編好き。

+*+*+*+好きなDVD+*+*+*+
「ショーシャンクの空に」
「アメリ」
「バタフライエフェクト」
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「運動靴と赤い金魚」
宮崎アニメだと
ラピュタ>ナウシカ>もののけ>千尋…
↑とりあえず思いついたものだけ

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