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2009. 10. 25  
疫学の父と呼ばれるジョン・スノウ。
副題の「コレラとブロード・ストリートの井戸の謎」の通り。コレラの正体が不明だった時代に、「ドブ板疫学調査」を行い感染経路の特定に至る。当時の時代背景、スノウの地道な努力。

医学探偵ジョン・スノウ コレラとブロード・ストリートの井戸の謎医学探偵ジョン・スノウ コレラとブロード・ストリートの井戸の謎
(2009/07)
サンドラ・ヘンペル

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最近だと新型インフルエンザ。ちょっと前だとO-157。どちらも疫学調査が行われている。両方とも地元近くで起こった事なので興味を持った。スノウが始めた「疾病地図」のO-157版を見た事がある。
この本はスノウの事は当然ながらも、その時代背景が詳しくて面白い。
19世紀半ばの医療事情は恐るべきものだ。病気が感染者を殺し、医者も無知ゆえに治療と称して患者を殺す。上水道の水質の悪さは読むだけで気分が悪くなる。コレラ菌がいなくても、私だったら一口でアウトに違いない。日本人は兎小屋に住んでるなんて表現があったけれど、当時の貧しいロンドン市民の人口密度の方が半端ない。そこまで汚くても人間って生きて行けるのか。江戸を見た外人が清潔さに驚いたというのもむべなるかな。江戸の話でこんな酷いのは聞いたこと無い。
生活環境だけでなく、事実コレラの猛威もすさまじい。ペストやコレラというすごい感染症があったということは知っていても、こうも激烈な病気とは知らなかった。何の前触れもなく、ある日突然、嘔吐・下痢に襲われ、早ければたったの数時間で干からびて死にいたる。致死率は極めて高い。
インドで発生したコレラが世界に伝播し猛威をふるう様相は本当に恐ろしい。アレクサンドリアとカイロでは24時間で3万人が死亡したという。世界各地でそれが何度も繰り返された。
今世界は強毒性の鳥インフルエンザを監視しているけれど、この時代と今とはあらゆる点が違っている。それが吉と出るのか凶とでるのか。実感は無いけれど、本当に自分が死ぬ可能性はある。周囲が皆死ぬ可能性だって。

今では当然の事も19世紀半ばではそうじゃない。コレラの正体すらわからず、他の数々の疾病同様なんの対策も打てない状況は辛いものがある。スノウの研究がなかなか認められない様、そのせいで失われる命がもどかしい。スノウの経口感染説は最初は無視された。悪い空気が原因とする瘴気説が当時は有力だったらしい。頑迷にそれにしがみつく人々を見ると不安になる。正しい事実に目を向けるのは意外に難しいのだ。
感染症が無くなる事は無いけれど、医学の発展は本当にありがたいことだ。今も日々それは更新されている。私が生きてきた中ですら変化している。未来にはとんだ間違いと笑われるような事もあるのだろうけど。
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雪下千里 (ゆきもとせんり)

Author:雪下千里 (ゆきもとせんり)
暇があれば本を手に取る。無くても手にとって寝不足でフラフラしてたり。
最近はアニメを見るのにハマリ気味。読書より時間を費やしているかも…

+*+*+*+好きな本+*+*+*+
上橋菜穂子「守り人」「獣の奏者」
小野不由美「十二国記」
田郁
荻原規子
伊坂幸太郎
シリーズものとか長編好き。

+*+*+*+好きなDVD+*+*+*+
「ショーシャンクの空に」
「アメリ」
「バタフライエフェクト」
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「運動靴と赤い金魚」
宮崎アニメだと
ラピュタ>ナウシカ>もののけ>千尋…
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